障害者控除の受け方

障害のある方は、障害者控除を受けることができます。障害者控除を受けるためには、どのような手続きをすれば良いでしょうか。

そもそも障害者控除とは?

一言でいうと、障害がある人に対して税の負担を軽くする制度です。
障害者控除は、3つの税で利用することができます。

・所得税
・住民税
・相続税

所得税や住民税は毎年の収入(所得)に対して、税の負担を軽くします。
相続税は親などから相続を受けた場合に、税の負担を軽くします。

今回は、所得税や住民税に関する障害者控除について記載します。

障害者の税の負担が軽くなる仕組み

所得税や住民税は、「収入」から「所得控除」を引いた金額である「所得」に所定の税率をかけて税額を計算します。
「所得控除」とは、個人のさまざまな事情に応じて税額を軽減するために設けられている金額です。例えば、親を養っている場合には「扶養控除」、医療費が多くかかっている場合には「医療費控除」、民間医療保険に多く加入しているため場合には「生命保険料控除」などを受けることができます。
「障害者控除」は、障害者が支援サービスなどを受けるために費用を要することから税を軽減する制度です。

障害者控除では以下の金額の控除を受けることができます。

障害者特別障害者同居特別障害者
所得税27万円40万円75万円
住民税26万円30万円53万円

これにより例えば、障害者控除で所得税で27万円、住民税で26万円の控除を受けることができる場合は、例えば同じ年収300万円の方でも障害者控除を受けない時に比べて、所得税は1万円強、住民税は3万円弱安くなります。

控除を受けられる人は?

身体障害者手帳、精神障害者手帳、療育手帳を保有している人のほか、以下の方は控除を受けることができます。
なお、身体障害は1級と2級、精神障害は1級の場合は特別障害に該当します。

  • 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人(特別障害に該当)
  • 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人(重度では特別障害に該当)
  • 精神または身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、障害の程度について市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人(重度と認定されれば特別障害に該当)
  • その年の12月31日で6か月以上身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人(特別障害に該当)
    ※このほか、戦傷病者や原爆被爆者は対象となりうる

また、障害者手帳の申請中や更新手続き中である場合も、障害者控除を受けることができます。以上のように、障害者手帳を実際に保有していなくても控除を受けることができます。

控除を受ける手続きは?

控除を受けることができるタイミングは、大きく分けて3つあります。

・年末調整
・確定申告
・更生の請求

勤め先で年末調整を受けるのが一番手順としては簡便です。障害者雇用である場合には、自動的に控除を適用して年末調整をする会社もあるようです。

勤め先に障害を開示していない場合には、年末調整でなく確定申告で受けることも可能です。こちらは、確定申告時に必要な書類を税務署に送付することで控除を受けることができます。

また、過去5年間で障害者控除を受けられたにも関わらず手続きを漏らしていた場合には、更生の請求として遡って障害者控除を受けるようにすることもできます。

まとめ

障害者控除は、所得税と住民税を軽減します。控除の対象となる人は、手帳を持っている人以外も対象となり得ます。また、年末調整・確定申告のほか、過去に遡って控除を受けることができるケースもあります。

参考
国税局 障害者控除
国税局 障害者と税
川崎市 税金の減免や控除

タイトルとURLをコピーしました